受験者の声#05

農業学校の生徒さんに土壌医検定を勧めています

スモールファーマーズカレッジ講師
土壌医 古谷壮弘さん

■SFCの紹介

スモールファーマーズカレッジ(SFC)は京都府宇治市にある社会人向けの小さな農学校です。本格的な野菜栽培の技術・知識を、週末の受講だけで、基礎から体系立てて学べるカリキュラムを用意しています。20代から70代まで老若男女問わず、新規就農、半農半X、移住、田舎暮らしといった農あるライフスタイルを目指す社会人(初心者からプロ農家まで)が集まり、2012年の設立以来、500名以上が学んできました。単に農業で収益を上げることだけを目指さず「自然に沿った生き方」を各々が目指せるようなプログラムが特徴です。

公式サイトURL:https://small-farmers-college.org/

公式フェイスブックURL:https://www.facebook.com/smallfarmers.org/

この学校で学べることは、経験や勘だけに頼らない科学的な有機栽培の技術、植物生理学、土壌学、育種学の基礎、販売実習、農業経営、農地の確保、流通と多岐にわたっており、その中で生徒さんに土壌医検定を受けることも勧めています。

■土壌医検定の受験を勧めている理由

当学校には土壌医検定1級の講師が在籍しており、土壌医検定の内容は実践的で、3級の内容をしっかり理解していれば、畑で出会う問題のほとんどをカバーできるという理由で、生徒さんにもまずは3級の取得を勧めています。土壌pHが栽培適正範囲より低すぎたり高すぎたりすることで発生しやすくなる土壌病害や生理障害、あるいは排水性や保水性の悪さによる生育障害など、土が原因や誘因となる障害は多く、農業を学ぶ人はまず土について理解するべきと考えて、当学校では土の授業を詳しく行っています。そしてその中で土壌医検定は利用できると考えています。

・初心者に勧める理由

土づくりの基礎が、農法の違いなどにとらわれることなく、すべて検定3級対応参考書に詰まっています。圃場試験データや実際に発生した障害の画像などを豊富に取り入れて解説されているので、初心者を応用の入り口まで連れて行ってくれます。農業高校生や農学部生だけでなく、家庭菜園愛好家にもお勧めできます。

・中級者、プロ農家に勧める理由

農作業を何年も続けている中級者や、例えばナス農家、ブロッコリー農家、米農家、果樹農家などのプロ農家の方にもお勧めします。当学校はプロ農家の方も受講されているのですが、年数を積んだ人でも畑での悩みは尽きず、特定の資材投入後に収穫量が減ってしまったとか、年々生理障害が増えているなどの深刻な声が聞かれます。その多くは土壌に原因があります。主に排水性と土壌pHが適正でないことによる特定の生理障害や病気の発生なのですが、土壌医検定の3級あるいは2級(もちろん1級も)のテキストでは具体的な事例がたくさん記載されており、自分の抱えている問題の解決への道筋が見えると思います。

■土壌医検定の活用

当学校では毎年2月の土壌医検定の受験に合わせ、数か月前から対策講座を開いています。検定を受けるとなると人は本気を出すもので、当学校のオリジナルテキストや土壌医検定のテキストをみなさん熟読されます。また、過去問を解くことで、理解度が高まると感じています。すべて実際に発生した事例が元にあるので、解けば解くほど実践的な力もついてくると思います。もちろん受験は任意ですが、ここ数年は受講生の半数近くが受験し、2級合格者も出始めました。

農業は土だけでなく、様々な栽培技術や経営も含めた総合的な産業です。学ぶことが多岐にわたります。その中で当学校では、授業の一部に土壌医検定を取り入れることで効率的に土について学べていると感じています。土壌医検定を農業に関わる全ての方にお勧めします。

講師陣(右端筆者)
土壌医検定受験前の勉強会の様子
学校の様子2